PUI PUI モルカー【公式】

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2021.06.09

スペシャル対談 見里朝希(『PUI PUIモルカー』)×木下麦監督(『オッドタクシー』)

ライター:藤津亮太

見里朝希監督と、現在放送中のオリジナルアニメ『オッドタクシー』の木下麦監督の対談インタビューを公開しました。
そして、二人の演出への強いこだわりが語られる5000字ロングインタビューが6月10日発売のアニメージュ7月号に掲載されます!本誌を読んでから両作品を見返すと、さらに面白さ、味わい深さがUP!ぜひチェックしてください。

アニメージュ7月号

――『オッドタクシー』も『PUI PUI モルカー』も、世界観がとてもユニークです。

木下 最初にキャラクターを描いた時から「こういう世界を作りたい」という気持ちがありました。そうやって世界観を作るのが一番好きかもしれません。なんとなくスッと描いたキャラクターの見た目をみながら「このヒトは何考えてるんだろう」とか「どういう仕事してるんだろう」とかそういう妄想を膨らませていくのが楽しいんです。『モルカー』を拝見して、映画へのオマージュをいっぱい感じたんですが、やはり映画から影響を受けた部分は大きいんですか。
見里 そうですね。”車あるある”とか“モルモットあるある”から始めて、だんだんカーアクション映画のオマージュのような内容もやっていきたいなと思って作っていました。もともと趣味として洋画、それも娯楽作を見るのが好きなので、『ミッション:インポッシブル』や『ワイルド・スピード』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった娯楽作に通じるアクションも積極的に取り入れていきたいとは考えていました。ただ可愛いキャラクターが可愛いことをするのって、わりと単純で退屈なんじゃないかと。個人的には、主人公を追い詰めれば追い詰めるほど物語っておもしろくなると思っているので、いろんなシチュエーションを取り入れていくことにしました。
木下 ああ。僕は自分のキャラクターが好きなので、きっと多くの人が可愛いと思ってくれるだろうと考えていたんですが、そのキャラクターでノワールな内容を展開すれば、そのギャップは、作品にとって絶対強いパンチになるとも想定していました。
見里 ギャップというと、配信やSNSの要素を取り込まれていて、それも新しかったですね。痛い目にあうことも含めて、メッセージがわかりやすく入っていて新鮮でした。
木下 そのあたりを取り入れるのは脚本の此元(和津也)さんが得意で、現代人の風俗としていろいろ盛り込んでくれました。此元さんの脚本は面白いセリフがいっぱいあるんですけれど、尺に入り切らないことも多くて、泣く泣くカットしたところも結構いっぱいあるんです。

――お二人はアニメーションのどこに魅力を感じていますか?

木下 現実の制約が結構少ないところです。表現できることに幅があって、動物や異星人を出すことも自由にできるのが、僕にはとても楽しいところで。非日常の世界を垣間見ることができるのがエンターテインメントのおもしろさだと思うので、現実的な制約に縛られずに、見たい映像が作れるというのがアニメーションの魅力だと思っています。
見里 確かにそうですね、動きに関しても、メタモルフォーゼを含め、現実にはありえない虚構の表現が許されているのがアニメーションだと思います。あともうひとつ、僕は、言葉で言いにくいメッセージを届けるのも、アニメーションは得意だと思っています。というのも大学生の時、初めて作ったアニメーションが自分が天然パーマであることをテーマにした作品だったんです。僕は中学生のころから天パで苦労してきたんですけれど、なかなかそれを人に話すことしてこなかった。でもそれを映像化して、上映会で見てもらったら、いろんな人に天パの苦労を共感してもらうことができた。その時の感動が自分の原点なので、なかなか言葉にできないメッセージを込めることのできるツールという部分もアニメーションの魅力だと思っています。

――ありがとうございました。

 

●TVアニメ『オッドタクシー』
◯地上波 テレビ東京 毎週月曜26時00分放送中
◯CS AT-X 毎週水曜 23:30~24:00放送中 リピート放送:毎週(金)11:30/毎週(火)17:30
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